2011年8月23日(火)
bijutukan37.html
「長いサラリーマン生活の中で、名刺の肩書きで仕事ができるのはわずか数年」という城山三郎先生の言葉は僕にも当てはまりました。会社経営の計画、実行、反省のサイクルにもかかわっていた僕が、そのラインからはずされてしまい、失意の中で灯油配達の仕事を受け持つことになりました。
 各家庭の灯油タンクは、北側とか西側のあまり陽の当たらないところに設置されています。その灯油タンクの下でドクダミが咲いているのを見たとき、僕は涙が出そうになるほど感動しました。「このドクダミは、灯油タンクの下の日陰で花を咲かせている!庭の草花のように水を撒いてもらう事がなくても花を咲かせている!今の僕も同じように陽もあたらなければ水も撒いてもらえない。くさっては僕の負けだ!このドクダミのように、日陰でも花を咲かせることができるかもしれない」。そんな時に思い出したのが「趣味を持ちなさい」という城山三郎先生の言葉でした。「このドクダミを描きたい」と思いたったのですが、小学校の時の通信簿が2。全く絵心の無いので描くことは出来ませんでした。
 そのような時に、偶然妻の文子さんの友人でホルプ出版に勤めている方が、星野富弘さんの『風の旅』をプレゼントしてくださいました。

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